介護タクシー開業ガイド
これから介護タクシー事業の開業をお考えの方に向けて、事前に知っておいていただきたいポイントをまとめました。JWMTOでは開業の直接的な代行や支援は行っておりませんが、このガイドの内容についてのご相談はお電話でお受けしています。また、開業予定の地域に加盟団体がある場合は、ご紹介することも可能です。
1.はじめに ~介護タクシーは素晴らしい仕事です~
通院や外出に付き添い、車椅子やストレッチャーでの移動をサポートする介護タクシーは、利用者様やご家族から直接感謝の言葉をいただける、やりがいの大きな仕事です。人の生活を支える公共性の高い仕事として、社会的な意義も年々大きくなっています。
2.ただし事業ですから、熟考と決心、準備が必要です
やりがいのある仕事である一方、介護タクシーは国の許可を受けて行う「事業」です。開業後は経営者として、売上や経費の管理、車両の維持、スタッフの教育など、事業運営そのものにも責任を持つ必要があります。勢いだけで始めず、事前によく考え、準備を整えてから開業することが長く続けるための第一歩です。
3.その地域の需要と供給について調べましょう
開業を予定している地域に、どれくらいの高齢者・移動困難者の方がいらっしゃるか、通院先となる病院や施設がどこにあるか、また、すでにどれくらいの介護タクシー事業者が営業しているかを事前に調べておくことをお勧めします。需要と供給のバランスを把握しておくことで、開業後の見通しが立てやすくなります。
4.営業許可・運賃認可は、全国の運輸局単位で行われます
介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送事業・福祉輸送限定)の経営許可と運賃認可は、国土交通省の地方運輸局が、それぞれの管轄地域ごとに審査・交付しています。まずはご自身の営業所を置く地域を管轄する運輸局のサイトをご確認ください。
※各サイトのページ構成は変更される場合があります。「福祉輸送」「経営許可申請」等のキーワードでサイト内検索していただくと該当ページを見つけやすくなります。
5.自分で申請するか、行政書士に依頼するか
許可申請はご自身で行うことも、運送業許可を専門とする行政書士に依頼することも可能です。ご自身で行えば費用を抑えられますが、書類作成や運輸局とのやり取りに一定の時間と手間がかかります。行政書士に依頼すれば手間は減りますが、報酬費用が発生します。どちらが良いかは、開業予定地域の実情(運輸局の審査傾向や、近隣に経験のある事業者がいるかどうかなど)に合わせて判断するのがベターです。迷う場合は、JWMTOまでご相談ください。
6.申請に必要な資格や書類(抜粋・要約)
代表的なものを抜粋してご紹介します。実際に必要な書類は運輸局や個々の事業計画により異なりますので、詳細は必ず管轄の運輸局にご確認ください。
| 運転者の資格 | 普通自動車第二種免許(旅客を有償で運送するために必須) |
|---|---|
| 事業計画書 | 営業区域、事業用自動車の数、運行管理体制などを記載 |
| 資金計画書 | 開業に必要な資金と、その裏付けとなる残高証明書等 |
| 車両の使用権原を証する書類 | 売買契約書、リース契約書など |
| 営業所・車庫の使用権原を証する書類 | 賃貸借契約書、自己所有の場合は登記簿謄本など |
| 損害賠償保険 | 任意保険への加入(見込み)を示す書類 |
| 法人の場合 | 定款、登記事項証明書など |
7.開業には早くて4ヶ月かかります
許可申請から許可が下りるまで、運輸局での審査期間として早くても4ヶ月程度を見込む必要があります。これに加えて、事業計画の検討や資金の準備、車両・営業所の確保といった申請前の準備期間も必要になるため、開業を決意されたら早めに動き出すことをお勧めします。
8.開業に必要になるもの ~車両・資機材など~
代表的なものは以下の通りです。
・福祉車両(車いす仕様車、寝台車、兼用車など)
・車いす、ストレッチャー
・固定ベルト、スロープなどの積み込み資機材
・(対応する場合)酸素供給装置などの医療的な資機材
・営業所、車庫(自宅の一部を利用することも可能な場合があります)
・事務用品、配車・記録のための帳票類やシステム
9.開業に必要な資金は?
車両の種類(新車か中古車か)や、営業所を自宅にするか賃貸にするかによって大きく変わりますが、一般的な目安は以下の通りです。
| 運転者1名・車両1台で開業する場合の目安 | |
|---|---|
| 福祉車両(中古) | 約100万円〜150万円 |
| 福祉車両(新車) | 約150万円〜250万円 |
| 諸費用・当面の運転資金 | 車両費に加えて約100万円〜150万円程度 |
| 合計目安:約300万円〜450万円程度 | |
※自宅を営業所として使う場合は、賃貸の営業所・車庫を借りる場合に比べて資金を抑えられます。上記はあくまで一般的な目安であり、実際の金額は事業計画によって異なります。
10.介助などの実地研修は必須です ~人の命を預かる仕事のため~
許可を得て開業できたとしても、実際の車椅子移乗やストレッチャーの取り扱い、急変時の対応などは、書類上の資格だけでは身につきません。介護タクシーは人の命と安全を預かる仕事です。開業前・開業後を問わず、実地での研修を必ず受けることをお勧めします。JWMTOでも、加盟団体を通じた研修の機会をご案内できる場合があります。
11.開業後には営業活動が必要です
許可が下りて開業しても、自動的に依頼が来るわけではありません。地域の病院、ケアマネジャー、地域包括支援センター、福祉施設などに、事業所の存在を知ってもらうための営業活動が欠かせません。開業前から、こうした関係先へのご挨拶や情報提供を計画しておくとよいでしょう。
12.信頼できる地域の同業者と連携するのがベターです
1社だけで全ての依頼に対応するのは難しく、繁忙時の対応漏れや、体調不良時の代替対応など、一人(一社)では限界があります。地域の信頼できる同業者とゆるやかに連携しておくことで、お互いに依頼を融通し合ったり、情報交換をしたりすることができます。JWMTOは、こうした全国の介護タクシー事業者団体のネットワークです。
13.開業について相談したい方は
下記の「開業相談フォーム」より、開業予定の地域や現在の検討状況などをお知らせください。担当者より折り返しご連絡し、開業に関するご説明や、地域に加盟団体がある場合はご紹介をいたします。
>>>開業相談フォームはこちら
14.お電話でのご相談
お電話でのご相談は、下記までお気軽にどうぞ。
03-5858-8435(一般社団法人日本福祉医療輸送機構)
